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校区別人権教育懇談会(講演会)

2022年11月28日 13時14分

今年度の校区別人権教育懇談会は、松山盲学校で教員をされている矢野繁樹さんと松山市消防局の瀧本啓太さんを講師としてお招きし、講演会を行いました。

矢野さんは、視覚障がい者として、アトランタ、シドニー、アテネと3度もパラリンピックに出場された短距離走のアスリートです。

2000年に開催されたシドニーパラリンピックでは、400メートルリレーに出場し、銀メダルを獲得されました。

 また、4年前の2018年に福井県で行われた全国障がい者スポーツ大会では、100mと200mで金メダルを獲得されています。

瀧本さんは、高校時代には100mを10秒台で走る力をもった短距離選手でした。

現在は、矢野さんの伴走者(ガイドランナー)としてもご活躍されています。

全国障がい者スポーツ大会で矢野さんが金メダルを獲得された時の伴走者でした。

矢野さんは、小学校高学年の時に、医師から20歳になったら目が見えなくなると言われていたそうですが、兄の影響で陸上競技を始め、毎日休むことなく練習をしてパラリンピックに出場するまでになりました。

2回目、3回目とパラリンピックに出場するたびにだんだん視力が衰え、3回目のパラリンピックでは、伴走者なしでは競技ができなくなりましたが、陸上競技への意欲は衰えなかったそうです。

競技をとおして、矢野さんが学んだことは、①継続すること、➁楽しむこと、③やり切ることだそうです。

講演の後は、矢野さんと瀧本さんに教えてもらいながら、子どもたちが実際に、選手と伴走者になって、ひもをもってペアで走ってみました。

選手は、伴走者を信頼すること、伴走者は、選手の安全を確保すること、ペース配分を考えて声を掛けることなどが大切であることを教えていただきました。

実際にやってみた伴走役の子どもは、「目が見えない人が転げないか心配だった。」「スピードを落とすときの声掛けが難しかった。」選手役の子は「伴走者を信頼して走ることが大切。」「ひもを引っ張られて真っすぐ走ってないことに気が付いた。」などの感想を述べていました。

実際にやってみてその難しさを実感したようです。

最後にお二人からメッセージをいただきました。

矢野さんからは、「困っている人を見つけたら声を掛けてあげてください。障がいとは、人と人との間にあるもの。その障がいを取りのぞいて歩み寄ることが大切です。」とお話ししていただきました。

瀧本さんからは、「興味をもったことに、どんどんチャレンジしてください。」とお話ししていただきました。

お二人が、選手と伴走者(ガイドランナー)は互いに支え合っている関係で、障がいの有無など関係なく、同じ目標をもった仲間であるとお話しされていたのがとても印象に残りました。

お二人からたくさんのことを学ばせていただきました。

矢野さん、瀧本さん、ありがとうございました。